はじめに
先日、小学2年生の子供達の動物愛護教室なる授業に参加してきました。
「獣医さんのお話」といった内容で、動物の心拍をマイクで聴かせて命の大切さをお話ししたり、子供達の素朴な疑問に答えてきました。
普段の診療中は病気のことや治療の事は十分に話をするのですが、子供さん達の質問となると、なかなか難しい質問が多く、動物の生態についてなぜ??が多かったです。
そんな訳で、愛護教室に出てきた子供さん達の質問を紹介しながら、きちんと私なりの回答をしてみました。
5つの質問とそれに対する回答を載せてみました。
Q&A
1. なぜ、猫は木等をするする登れるのですか?
猫は高い場所が大好きです。
(安全、安らげる場所)
鋭い爪が生えているので、木の皮に爪がしっかりと食い込むから登りやすいです。
但し、木登りが下手な猫は降りられない場合もあります。
2. なぜ、金魚は水の中でも息や瞬きができるのですか?
人は肺があるので、空気中の酸素を肺の中に取り込むことができます。
魚は肺が無いので、エラを使って水の中にたまっている酸素を取り込むことができる。エラはとっても高性能で、水の中に溶けている酸素の90%を利用することができます。
お魚を飼育するときは空気が入ったきれいなお水でないと、エラ呼吸が出来ずに死んでしまいます。お水の交換はきちんとしてあげましょう。
金魚は瞬きはしないのが普通です。
人や動物の場合は瞬きをする事によって、眼が乾かないようにすることができます。魚の場合はもともと水の中に居ますから、瞬きしなくても眼が乾燥する事はないのです。お魚の中には(ナマズ、サメ、フグ、マンボウの中には)瞬きをするものが居るようです。但し、瞬きの目的は補食行為で眼を傷つけない為と言われています。
3.なぜ、ハムスターは夜に活動できるのですか?
野生のハムスターはとっても乾燥したところに地面に穴を掘ってお家として生息しています。(砂漠と草原の中間くらいのところ)
巣穴の中には寝る場所や、食事を貯めておく場所、トイレ等も有ります。巣穴の中での生活はハムスターを捕まえるような外敵となる動物もいないので、安全です。
そして外敵が寝静まった夜になると、巣穴からでて、食事を集めます。(果物の実や種、虫等をほお袋にいっぱいつめて、巣穴に戻ってから食事を貯めておく場所にしまう習性が有ります。)
4.なぜ、ハムスターは硬い物を食べることができるのですか?
ハムスターは死ぬまで伸び続ける長い前歯をもっています。前歯は植物の種などを割って、栄養の有る中身を食べたりするのに使います。
硬い食事やかじり木などは与えても良いですが、金属製のゲージ等を咬み続けるとかえって歯が悪くなります。硬すぎる物を咬ませないように注意しましょう。
金属製のゲージを咬み続ける場合は、プラスチック製のゲージが良いと思います。
5. なぜ、ハムスターはすぐになつくのですか?
ハムスターは普通は単独行動を好む動物なので、人に懐いたりしないのが一般的です。但し、ハムスターの種類によっては人に懐きやすかったり、逆に人になれない種類も有るようです。加えてハムスターの性格によっても様々です。あとは飼い主さんの接し方が優しいと、ハムスターが懐いてくれるのだと思います。
こんなに凶暴なハムスターも居ます。