とりい動物クリニック 静岡県富士市の動物病院

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猫ちゃんの慢性口内炎の1例

2004年 3月

この猫ちゃんは6歳の雑種猫の男の子です。(去勢済み)
以前から風邪の症状と口内炎で悩んでいる猫ちゃんです。
猫ちゃんの慢性口内炎の1例
診察をしたところ口腔内の痛み、よだれ、激しい炎症と舌の表面に激しい炎症と多数の破裂した水疱と潰瘍が認められました。
写真のように食べることが困難で、口を動かすのがとっても痛いのでよだれがたくさん出てしまいます。
猫ちゃんの大好きなグルーミング(身の回りのお手入れ)も舌が痛い為にできません。
猫ちゃんの慢性口内炎の1例
猫ちゃんの慢性口内炎は非常に治りにくく、進行することによって食欲不振や全身状態の悪化をおこし最終的には死亡してしまうこもある恐ろしい病気です。
原因としては口内外傷、薬物・毒物刺激、歯肉炎に伴う細菌・真菌感染、腫瘍、ウイルス感染、栄養障害(ビタミン欠乏など)があげられます。
実際、慢性口内炎の猫の約半数は猫エイズウイルス、猫白血病ウイルスなどの感染を起こしています。
治療としてはステロイド剤(痛みと炎症を緩和します。)や抗炎症薬(ステロイドに頼らずに炎症を抑える為に使用します。)を使用した対症療法となります。
今回はネコインターフェロンが非常に有効とのことで、このネコちゃんにネコインターフェロンを使用しました。この薬の効果を十分に引き出すには5日間連日 でしかも通常よりも多くインターフェロンを注射しなければなりません。また痛みがそれだけでは改善できないので補助療法として抗炎症薬の注射、ステロイド と抗生物質の内服治療を行いました。
現在、治療継続中です。
早く元気になってくださいね!